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NVIDIAのAI新興企業コンテスト、アジア太平洋トップ10の半数に韓国5社

AIM Intelligence、Tnaps、Omelet、Filer、WIMが「NVIDIA Inception Grand Challenge 2026」のアジア太平洋地域トップ10に選ばれた。9月22日にシンガポールで開かれた決勝では、AIセキュリティー、物流などの運営最適化、映像分析、ロボット制御の技術を披露した。

出典=NVIDIA
出典=NVIDIA

韓国の新興企業AIM Intelligence、Tnaps、Omelet、Filer、WIMはそれぞれ、「NVIDIA Inception Grand Challenge 2026」のアジア太平洋地域トップ10に選ばれたと発表した。9月22日にシンガポールで開かれた決勝では、AIセキュリティーから産業現場の運営最適化、映像分析、ロボット制御まで、各社が技術を紹介した。

NVIDIA Inception Grand Challenge 2026は、NVIDIAがアジア太平洋地域の成長段階にあるAI新興企業を対象に開くコンテスト。事業を発表するだけでなく、企業が提示した実際の産業課題に取り組み、試験導入や現場への導入機会を探る仕組みになっている。今年は7月5日に応募を締め切り、500社から80社、さらに40社へと絞り込んだ。NVIDIAによると、予選を通過した40チームのうち14チームが韓国から参加した。事業分野はフィジカルAI、ロボティクス、エージェント型AI、AIセキュリティー、ビジョンAI、エッジAIなどに及ぶ。

トップ10の企業は、地域のイノベーション関連イベントでの紹介、パートナー企業との接点、技術支援に加え、「エンタープライズ・レディネス・プログラム」の優先審査対象となる。1社当たり最大3万ドル相当のGPUクレジットと市場進出支援を受けられるほか、10月27~29日に開催される世界規模の新興企業ピッチ大会「SLINGSHOT」にも登壇する。

AIM Intelligence、Nebius特別賞と観客投票首位

出典=AIM Intelligence
出典=AIM Intelligence

AIM Intelligenceは決勝で、AIクラウド企業Nebiusが授与する特別賞を受賞した。会場の観客投票でも最優秀企業に選ばれた。

同社が解決策として示したのは「AIM Control Loop」だ。AIの脆弱性を発見し、運用環境で制御した後、再び攻撃テストを行って防御体制を強化する循環型の仕組みで、一度限りの安全性評価にとどまらず、継続的にリスクを見つけて制御すると説明した。

発表では、AIが回答を生成する段階から、自ら判断し、企業システムや物理環境で行動する段階へ進んでいると指摘。それに対応するため、生成AI、エージェント型AI、フィジカルAIを一貫して網羅するセキュリティー・制御体制が必要だと訴えた。

最高技術責任者(CTO)のパク・ハオン氏も8月の韓国準決勝で、AIが画面内で回答する道具を超え、企業システムや物理世界で直接行動する主体へと進化するにつれ、重要な問いは「AIに何ができるか」から「誰がAIを制御するのか」に変わりつつあると述べた。そのうえで、生成AIからエージェント型AI、フィジカルAIまでを網羅する世界的なAIセキュリティー・制御企業を目指すと表明した。

2024年設立のAIM Intelligenceは、AIエージェントが人の監視なしに判断し、APIを呼び出して行動する状況に備えるAIセキュリティープラットフォームを提供している。API呼び出しとは、AIが別のプログラムの機能を呼び出し、業務を処理することを指す。

中核製品は「Stinger」と「Starport」。Stingerは攻撃シナリオを自動生成してAIの脆弱性を探すレッドチーミングツールだ。レッドチーミングは、攻撃者の立場でシステムを試し、弱点を事前に探す点検手法。Stingerはテキスト、画像、音声、映像に加え、フィジカルAIまで対応し、入力方式を問わない。Starportは稼働中のAIのリスクをリアルタイムで防ぐセキュリティーソリューションで、個人情報や営業秘密などの機密データを検知し、自律型エージェントによる異常なAPI呼び出しを制御する。

Tnaps、設立から1年余りで決勝へ

出典=Tnaps
出典=Tnaps

AIセキュリティー新興企業のTnapsは、2025年の設立から1年余りで決勝に進出した。披露したのは、AIエージェントの行動を実行前に点検する「意思決定の信頼インフラ」だ。

AIエージェントが業務を実行する前に、その判断が企業方針に沿っているか、実行に伴うリスクがないかを確認し、作業を許可または遮断する。判断の根拠や適用した方針も記録し、事後監査に活用できるようにした。

同社は大規模な企業向けサービスでも検証が遅れないよう、専用の実行環境を構築中だ。NVIDIA Hopper系GPUと推論ソフトウェアのTensorRT-LLM、FP8演算方式を用い、AIの判断を検証して実行の可否を決める構造としている。

金融分野では、KB Kookmin Bankと金融相談AIの信頼性を検証するプロジェクトを実施した。両社の協業事例は6月、金融委員長賞の「今年の協力賞」を受賞した。現在はKB Kookmin Bankと概念実証(PoC)を進め、大手金融機関3社以上と導入を協議している。

資金面では、5月に未来アセットベンチャー投資、未来アセットキャピタル、Murex Partners、Kakao Venturesが参加するシードラウンドで45億ウォンを調達したと発表した。

当時のラウンドを主導した未来アセットベンチャー投資の取締役、チョ・ジンファン氏は、AIが実際の産業環境で安全に動くには、技術に加えて分野への理解と実行経験が欠かせないと指摘。Tnapsは金融・セキュリティー分野の深い現場経験と世界水準のAI技術力を兼ね備え、AIの信頼性の問題を実際に解決できるチームと判断し、投資を決めたと説明した。

Omelet、配送・積載などの運営判断をAIで支援

出典=Omelet
出典=Omelet

Omeletは、産業現場の運営上の意思決定にAIを取り入れる「運営知能」を紹介した。決勝で発表した代表のパク・ジンギュ氏は、配送経路、作業日程、積載・在庫管理などの複雑な問題を解決する知能を、再利用可能な資産として蓄積する方針を示した。顧客ごとに異なる運営条件を反映し、実行案を導き出すAIエージェントとして実装するという。

同社はパク・ジンギュ氏と最高技術責任者(CTO)のクォン・チャンヒョン氏が2023年に共同設立した、KAISTの教員による起業企業。数学的最適化技術とAIを組み合わせ、複数の制約条件の下で効率的な実行案を探す技術を開発している。

主力製品の「OaaSIS」は、配送先、車両、時間、物量などのデータと制約条件を基に、配送経路や資源配分などの運営計画を導き出す。状況の予測から一歩進み、どの選択を実行するかを計算することに重点を置いている。

同社によると、現在は物流、小売り、ヘルスケア、製造、モビリティー、国防、エンターテインメントの7産業で18件のプロジェクトを進めている。GS Retailの配送経路設計や現代グロービスの船舶積載業務などにも技術を提供し、導入プロジェクトでは物流費を20%以上削減し、船舶の積載効率を90%以上に高めたと説明した。

パク・ジンギュ氏は、プロジェクトで得た問題解決能力を資産にし、その資産をより多くの顧客が使える製品へと発展させることで、産業の意思決定をより速く、より的確に実際の運営につなげると述べた。

Filer、生中継の場面ごとに広告掲載の適否を判定

出典=Filer
出典=Filer

Filerは、世界規模で展開する広告型無料ストリーミング(FAST)事業者と協力し、コネクテッドテレビ(CTV)の生中継で広告掲載の適合性を評価する技術を公開した。独自の映像理解AIが放送画面、せりふ、音響をリアルタイムで分析し、広告掲載に適した場面かを判断する。従来はオンデマンド動画(VOD)に用いていた映像分析機能を、生中継放送へ適用した。

生中継では突発的な状況によって広告が不適切な場面とともに表示される可能性があり、広告販売の制約となる。Filerは放送全体ではなく、個々の場面の文脈を分析することで対応した。同社は、生中継ニュースでも場面ごとの安全性を評価すれば、広告を販売できる区間を区別できると説明している。

2021年設立のFilerは、映像、音声、テキストを併せて分析する映像理解AIを開発する企業。主なソリューション「AiD」は、この技術を用いて動画広告環境のセンシティブなコンテンツを検知し、該当する動画に広告が表示されないよう管理する。

特定の単語が含まれるかだけを確認するのではなく、映像の視覚情報とテキストを同時に分析するマルチモーダルAIでセンシティブなコンテンツを分類する。広告主はキャンペーンごとにフィルター基準を設定し、広告の掲載先となるコンテンツを管理できる。

NVIDIAが公開した農心の「KPop Demon Hunters」キャンペーンの事例によると、AiD適用後、ブランドに不適切なコンテンツへ投じられた予算の割合は、比較基準の19.3%から1カ月以内に4.67%へ低下した。この期間、AiDは200万本以上の動画で安全でない掲載先を検証した。

WIM、ロボット開発向けに「フィジカルAIのためのアンドロイド」

出典=WIM
出典=WIM

WIMは、NVIDIA Inception Grand Challenge 2026の最終受賞企業のうち、ロボティクス分野に属する3社の一つで、会場の観客投票でも2位となった。決勝では「フィジカルAIのためのアンドロイド」を事業の方向性として提示した。アプリ開発者が基本ソフトを自ら作らないように、ロボット開発者も基本制御機能を一から実装せず、AI開発に集中できるよう支援するという。

同社が解決を目指すのは、AIモデルをロボットに適用する際の制御システム開発の負担だ。ロボットを動かすには、関節の位置や動きを計算し、重力や摩擦を補正したうえで、モーターが目標どおり作動するよう制御する必要がある。WIMはこれらの機能を統合して提供し、開発者が制御システムを繰り返し構築する作業を減らすと説明した。

これを製品化した「WIM Robot Controller」は、単一のNVIDIA JetsonプラットフォームでAI推論とリアルタイムのモーター制御を同時に行い、AIの判断を実際のロボットの動きに変える制御装置。他社製のロボットハードウェアにも接続できる。

このほか、WIMはロボット制御ソフトウェア「PLEM」、6軸多関節ロボットソリューション「AI-MANIPULATOR」、受注生産の産業用プリント基板(PCB)を提供している。PLEMはモーター駆動などの基本制御機能を統合し、開発者がAIモデルを適用できるよう支援する。AI-MANIPULATORはニューラルネットワークに基づいてロボットの動きを計画し、産業現場の精密な操作を行う。PCBは顧客が求める通信方式、入出力チャンネル、動作電圧に合わせて設計・製造する。

韓国語の原文を読む

#NVIDIA Inception Grand Challenge 2026 #韓国新興企業 #AIセキュリティー #物流最適化 #映像分析 #ロボット制御
チ
チェ・ミレ
INVEST NEWS GLOBAL · 記者

INVEST NEWS GLOBALで上場後(POST-IPO)を中心に取材しています。

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