技術奪取の攻防から通信網論争まで… KTとt'orderの葛藤、店舗にまで波及
かつて事業協力を進めていたKTとテーブルオーダーのスタートアップであるt'orderの間で、3年以上にわたる葛藤が続いている。
かつて共に事業を推進していたKTとテーブルオーダーのスタートアップであるt'orderが、3年以上にわたって葛藤を続けている。葛藤の始まりは技術奪取の疑惑に端を発した。その後、インターネット接続障害、営業方式、買収・合併(M&A)の過程でやり取りされた情報など、多様な問題へと論争が拡大した。最近では、t'orderが飲食店用の注文用タブレットを活用してKTに関連する問題を直接知らせることで、両社間の葛藤が店主や消費者が利用するサービス領域にまで拡散している。
両者の主張は大きく食い違っている。t'orderは、KTが協業およびM&Aの過程で接した自社の事業情報を、競合サービスである「HiOrder」に活用したと主張している。一方、KTはHiOrderを独自に開発したものであり、t'orderの技術や顧客情報を持ち出した事実はないという立場だ。
協業していたKT・t'order、HiOrderの発売後に葛藤が拡大
t'orderによれば、両社の事業協力の議論は2022年に始まった。t'orderは当時、KTの戦略投資チームなどが参加した会議において、事業計画や営業戦略、技術構造などを共有したと主張している。2023年2月には、KTの人工知能(AI)サービスロボットとt'orderのタブレットメニューを連動させる協力も公式化した。
KTとの葛藤が本格化したのは、KTが同年5月に独自のテーブルオーダーサービスであるHiOrderを発売した後だ。t'order側は、以前の協力過程で共有した事業モデルやサービス運営方式などがHiOrderに反映されたのではないかと疑っている。しかし、KTはHiOrderが独自に開発されたサービスであるとし、技術奪取の疑惑を一貫して否定してきた。これに関連してt'orderが提起した従来の刑事告訴については、警察から不送致の決定が下されている。
両社は葛藤の中でも2024年末に再び対面した。その後、2025年1月からt'order買収のためのM&A議論が進められた。t'orderはこの過程で、KT側の要請に応じて1,000件を超える実査質問に回答したと主張している。実査質問とは、企業買収を検討する過程で対象企業の事業や財務状態、技術などを確認するためにやり取りされる質問である。
M&Aの議論は同年7月に終了した。その後、両者は実査過程で共有された情報の範囲を巡って相反する立場を示した。t'orderが買収検討のために技術構造や営業情報、事業計画などの主要な内部情報を提供したと主張したのに対し、KTは敏感な情報には直接アクセスしていないと反論した。
KTの関係者は「M&Aの検討は外部アドバイザーを中心に、KTの直接的な情報アクセスを防ぎ、限定された情報のみを共有する方式で進行した」とし、「営業ノウハウを要請したり、提供を受けたりした事実はない」と述べた。
続けて「顧客データなどの情報はアドバイザーのみが確認可能であり、KTは閲覧も受信もしていない」と明らかにした。
t'order「KT、インターネット障害の店舗にHiOrderへの切り替えを勧誘」と主張
両社の葛藤は技術やM&Aの問題を超え、インターネットサービスにも及んだ。t'orderは、2023年4月にKTのインターネットを使用していた一部の飲食店で、注文用タブレットの接続障害と注文漏れが発生したと主張している。
t'order側の説明によれば、当時、一つのインターネット回線に接続できる機器の数が約14台に制限されていた。テーブルオーダーは店舗の規模に応じて数十台のタブレットを設置するため、接続可能な機器の数が制限されると、一部の端末が正常に作動しない可能性がある。
t'orderはその後、3ヶ月間にわたって関連する問い合わせが240件以上寄せられたと明らかにした。一部の店舗には、従来よりも料金の高い法人用インターネット回線へ変更する案が案内されたと主張している。
問題は、障害対応の過程でHiOrderの営業まで行われたというのがt'orderの主張だ。t'orderは、インターネット障害の問い合わせが寄せられた一部の店舗を、HiOrderの営業担当者が訪れ、製品の切り替えを勧誘した事例を確認したと明らかにした。
t'orderは、HiOrderを導入した店舗には、別途の回線変更なしで接続機器の制限を設けなかったり、専用のWi-Fiを設置したりするなど、他の条件が適用されたとも主張している。
KTは、特定のテーブルオーダー業者を標的にしてインターネットの利用を制限したり、自社サービスの加入を誘導するために差別的な条件を適用したりしたという疑惑を否定している。HiOrderの加入を条件に接続可能機器数を増やしたり、t'orderを利用する店舗に不利な基準を適用させたりするような本社の指示もなかったという立場だ。
結局、この場面の核心は、インターネットサービスとHiOrderの営業が実際の現場でどのように結びついたかである。一般的なインターネット利用基準に基づく措置であり、別途の営業活動であったとするKTの説明と、通信サービスで発生した問題を競合製品の営業に活用したとするt'orderの主張が対立している。
t'order、注文タブレットを通じてKTとの葛藤を周知... 「顧客接点」の活用はどこまで
t'orderは今回の葛藤を知らせる過程で、自社が確保している顧客接点を活用した。最近、t'order注文タブレットの「リアルタイムキーワードLIVE」には、KT関連の記事タイトルなどが露出された。t'orderは自社の判断に従い、関連内容をタブレットで知らせたと明らかにした。
t'orderの関係者は「当社のサービスを利用する店主と客は、この問題の直接的な影響圏にいる方々である」とし、「我々のサービス現場で起きたことを、我々のチャネルを通じて知らせることが正しいと判断した」と述べた。
単にKTとの企業間の紛争を知らせる目的だけではないというのがt'orderの説明だ。大企業とスタートアップが協業する過程で、技術と事業情報をどのように保護すべきかという問題を公論化するために、タブレットを含む複数のチャネルを活用したという。t'orderは注文体験に支障をきたさない範囲で関連コンテンツを運営しており、店主の意見も反映していると明らかにした。
ただし、被害を主張する企業が自身の立場を知らせることと、消費者が料理を注文するために使用する画面を企業間の紛争の伝達手段として活用することは別問題だ。t'orderは店主と消費者も今回の事案の影響を受ける当事者であると説明しているが、注文プラットフォームを企業の立場を知らせるためにどこまで活用できるのかは検討すべき部分である。
両社の葛藤が長引くほど、企業間の攻防は実際のサービスを利用する現場へと広がる。インターネット接続に問題が発生すれば、注文の漏れや店舗運営の支障は店主が直接経験することになり、企業間の紛争が注文タブレットに露出すれば、消費者もまた注文の過程で望まない内容に接することになる。
結局、今回の葛藤は技術奪取の成否を判断することで終わらない。通信網を提供するKTと、注文プラットフォームを運営するt'orderが、それぞれ確保したインフラと顧客接点を競争の過程でどこまで活用できるのかも、共に検討すべき争点として残った。
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